前回の記事では、小野亜里沙さんが芸能活動を始めるに至った理由や、シンガーソングライターとしてどのように音楽を生み出しているかについてお話を伺いました。
(前回記事「ステージに立って笑顔を見ていると、『生きている』と感じる」)
今回は、そんな小野さんが、ご自身最大の挑戦として企画したマイナビBLITZ赤坂での単独公演について、そしてこれからの事について詳しくお話を伺いました。
もともと音楽は『身近な人に笑顔になってもらうためのツール』だと思っています
おととしは渋谷duo、去年は銀座ヤマハホール、そして今年は赤坂BLITZでの単独公演…と着実に階段を登ってきていますが、この先の目指すところというのはどこなのでしょう?
世界です!
即答でしたね!(笑)
もともと芸能活動を始めたきっかけが、『身近な人に笑顔になってもらいたい』っていうことで、音楽はその為のツールになったらいいな…という思いがあるんです。
いずれは私の歌を世界のいろいろな場所へ届けていけたらいいなと思っています。
そして、学校を建てたいんです!
へぇ!学校を、ですか!
それが一番の夢なんです。
川嶋あいさんがそういった活動をされていて、自分の為ではなく他の誰かのために行動ができるところをとても尊敬しています。
私も人生をかけてそういう事をしていきたいな、と思っています。
川嶋あいさんも生い立ちで苦労されていたりといった点では、小野さんと共通する部分があるんでしょうね。
特に曲を作るにあたって悩みや苦しみが原動力になるというのは共通していますよね。
小野さんが曲を作るときは、今でも苦しみが原動力なんでしょうか?
そうですね、曲を作るときは自分の内面と向き合わないといけないので苦しくなるときもあります。でも、その先にある奇跡を見たい、という気持ちのほうが強いんだと思います。
『そこに愛があるのか』
比屋根さんは普段、小野さんのヘアメイクを担当されていますが、何かヘアメイクをする上でのこだわりなどはあるんですか?
そうですね、私はその人の魅力を引き立てることを一番に考えています。
あとは、そのアーティストさんや見て下さってるファンの方々や周りの方により楽しんで頂けるように、『こういう風にしたらさらに良くなるんじゃないかなー?』と考えて、いろいろ試行錯誤しています。
そんな比屋根さんのヘアメイク、小野さんはどんな風に感じていますか?
魔法がかかるんですよ!
比屋根さんにヘアメイクをしてもらってからステージに立つと、より自信を持って演奏出来ます。
私は全く自分に自信がないんですが、比屋根さんにヘアメイクの魔法をかけてもらうと自信を持ってステージに立てるんです!
小野さんはほんとうに美人ですし、自信がないなんて想像できないです!
その点は比屋根さんはいかがですか?
ほんと、顔が整ってて美人だなあって思います。
けれど、どこか自信なさげなところは感じるので、ヘアメイクの力で魔法をかけてより輝かせてあげたいなっていうのはありますね。
ヘアメイクをする度にものすごく喜んでくれて、自信が出ていつも以上にいい演奏ができたよ!って言ってくれるので、力になれてよかったなって思います。
小野さんは、比屋根さんをはじめとしてたくさんの人に支えられているんですね!
そうですね、やはり一人では限界があるので、本当に恵まれているなと思っています。
今までいろいろな方と知り合ってたくさんチャンスも頂けたのですが、やっぱりこういう世界ですから、打算的に近づいてくる人もいます。
だから、どこかで疑ってしまうんですよね。そこに愛があるのかどうかって。
見た目で判断されてしまうことも多くて、『女子力高いね!』とかよく言われるんですが、それってすごく表面的な事ですよね。
今まわりにいる人たちは、上っ面だけじゃなくて、音楽できちんと向き合ってくれる人ばかりで、すごく救われています。
『勇気さえあれば何でもできるんだぜ』って伝えたい
さきほど『音楽で世界を目指す』と仰いました。
そこを目指すにはかなり強いメッセージ性や音楽性が必要だと思うのですが、音楽を作る上で意識しているメッセージはありますか?
『勇気さえあれば何でもできるんだぜ』って伝えたいんです。
私の曲で「わらびもちのうた」っていうのがあるんですけど、みんなで一緒に歌ったり、おどったり、たまに叫んでみたり、弾き語りだけではなくて色んな表現方法を使って、お客さんに笑顔になってもらいたいと思っています。
「わらびもちのうた」をはじめとして、曲のタイトルがポップなものが多いように感じます。
前回の記事では、長い間ためてきた色んな感情があふれたときに曲ができるというお話がありました。
少し僕の中ではそこが噛み合わないように思うんですが、どうでしょう?
そうかもしれません。
例えば「隣の犬はもち太郎」という曲があるんですが、「もち太郎ってなに??」と思う人も多いはずなんですが、実は不登校がテーマの歌なんですね。
不登校って、一般的には重たいテーマだと思うんですが、あえて「隣の犬はもち太郎」っていうタイトルをつけることによって聴く人が入りやすいようにしているんです。
重いテーマを重く歌うんじゃなくて、少しポップなタイトルをつけることによって少しでも多くの人にメッセージが届けばいいですね。
なるほど!
一回小野さんのライブでそういう音楽を聴くと、「あの曲をもう一回聴きたいからまたライブに行こうか!」って思うかもしれませんね。
ちょっとしたアリ地獄かもしれない。
アリ地獄!すごくよく言われます!(笑)
以前は私のことをあまり好きでなかった人も、いつの間にか私のファンになってくれることが多いんです。
それでも笑顔が見たいから
そうやってたくさんのファンを惹きつけつつ、BLITZでのライブに臨まれます。
僕自身も大規模イベントを何度も企画したことがあるので分かるのですが、個人で大規模なイベントを作るって、正直すごく大変だと思うんです。
それでもやりたい!と思うのはなぜですか?
それでも笑顔が見たいからです。
こんな私でもBLITZで単独公演ができたんだぜ!フリーでもできるんだぜ!っていう新しい世界を切り開きたいんです。
実際お金もめちゃくちゃかかるんです。(笑)
あれだけの会場だと、そうですよね。
わたし、実は6月ぐらいまで全体の見積もりを出したことなかったんですよ!
え?!見積もり出してなかったんですか??
そうなんです。実際出してもらったらすごい金額すぎて泣きそうになったんですけど、でも自分で決めたことだし、やっぱり妥協したくないっていう思いが強くて。
ほんとうはすごく苦しいですけれど、どれだけ苦しくても死ぬわけじゃないですから、絶対やりとげてやろう!って思っています。
是非、大成功を祈っています!!!
やはりあれだけの会場で魅力的なステージを作るというのは大変な事だと思うんですが、あえて伺います。
今回の小野亜里沙BLITZ単独公演の見どころは?
インディーズなのに、ここまでできるんだ!っていう驚きをお届けします。演出も凝ったものになっていますし、私自身も当日会場でやってみるまでどうなるか分からない!というものもあります。
演奏面でも、私がピアノから離れる場面が結構あるとおもいます。
素晴らしいサポートアーティストのみなさんに演奏をお願いしているので、普段は見られないパフォーマンスをお見せしたいと思います。
でも、初めて私のライブに来られる方でも絶対に楽しめるので、安心してご家族やお友達と一緒に観に来て欲しいです。
ではBLITZ でまたアリ地獄にはまる人が続出するんでしょうね。
もちろんです(笑)
でも、今回の公演は私がすごいと言う事じゃなくて、一緒にステージを作り上げてくれる一人一人がすごくたくさんの愛情を注いでくれているんです。
一つ一つのことが私やスタッフの手作りで、全部が愛情に満ちている、そんな空間を楽しみにしていて下さい。
最後にひとつ。
少し早いかも知れませんが、BLITZの次はどこか見据えている場所はありますか?
正直色んな選択肢がありすぎて、BLITZで決めようと思っています。
BLITZで決める?
2年前のduo MUSIC EXCHANGE公演の時、事前に何も決まってないのに「30歳までにBLITZでやります」って勝手に口が言ってたんですよね(笑)
でもそうやって言った手前、ダメ元で電話してみたら今回のBLITZが取れたんです。
ひょっとしたら同じような奇跡が起こるかも知れませんし、私にもどうなるかまだ分かりません。
ではBLITZで衝撃発言を期待したいと思います(笑)
BLITZ公演、がんばって下さい!
10/18(木)@マイナビBLITZ赤坂
http://www.tbs.co.jp/blitz/access/
小野亜里沙バースデーワンマンライブ
〜約束の場所へ〜
OPEN18:30 START19:30
前売¥4000 当日¥4500
20歳以下¥2000(+D)
ミュージシャン
Ba.渡部哲也 Gt.高田慶二 Key.山本佳祐 Syn.吉野ユウヤ Dr.阿部実 Cho.如月愛里
ダンサーパフォーマンス
若葉市之丞 ダンサー:駿
伊藤綾佳 MIKA Takeri
チケットぴあ Pコード 106643
小野さんの音楽は、いわゆるピアノ弾き語りシンガーソングライターのそれとは一線を画しています。
笑いがあって、涙があって、みんなで心を一つにして作り上げていくショーのようなものなのではないでしょうか。
10/18(木)マイナビBLITZ赤坂にて、また新しいショーの幕が開きます。
私がすごいんじゃない。
そんな小野さんの言葉からは、ファンを大切にする一人の音楽家としてのプライドが垣間見えた気がします。
Edited by DJ Nobby (@787nobby)
Text / Make Up by 比屋根リサ (@hiyanelisa)
Photo by ノビス (@nobis2017)